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脇田アトリエ山荘(建築探訪)

脇田アトリエ山荘の一般公開があったので訪れる。
この山荘は、画家の脇田和さんが芸大の同級生の吉村順三さんに依頼して建てたアトリエ付きの別荘。
宙に浮かび、くの字に折れ曲がった居間棟に、長方形のアトリエ棟が付いている。

その居間棟のリビングスペース。
鮮やかな絨毯やソファーの色は脇田さんが選んだそう。
窓辺にはレーモンド事務所で吉村さんと同僚のジョージ中島さんのラウンジチェアが置かれている。
高さを抑え、庭ととても近い2階。
奥に見えるガラス窓の部屋がアトリエ。
独立キッチン側を見る。
カラマツの船底天井が居間棟全体を覆う。
心地よく囲われたダイニングスペース。
後ろの開口は、建具の上下框が室内から目立たないようになっていたり、
下窓枠に温風の吹き出し溝が仕込まれていたりする。
ここにある全ての要素が響きあって気持ち良さを生み出している。

耐震補強7

2階の補強

建具だったところに柱を2本と梁を追加し補強壁をつける。
組んである下地は荒壁パネル用の下地。
パネルを張っていく。
荒壁パネルは、補強+左官の下地材としての機能を持つが、
箪笥を並べてしまう壁に左官はもったいないので、板張りとする。
土を塗らなくてもパネルの耐震性能は変わらない。
板を張ったところ。
柱に前もって、板を差し込む小穴 (溝の事) を突いている。
1階は中塗工事。
補強壁以外の白壁はもう仕上がっている。

耐震補強6

新しく設置する補強壁の下地を編む。

石場建ての家なので、耐力壁は筋交いやベニヤでは無く土壁で補強する。
下地の竹小舞を編んだところ。
表側より荒壁をつけたところ。
荒壁の裏側。
この土が乾いたらこちら側から裏返し塗をする。

耐震補強5

一旦ストップしていた耐震補強工事を再開する。

足固めを入れ終わり、下地を組んでいく。
畳からフローリングに変える部屋は床下に断熱材を入れてから張っていく。

寝室のリフォーム

照明と電気プレートを付けたら竣工

壁の白い部分と茶色の部分をなるべくスッキリ見せる様
納まりを工夫してある。
カウンターの突き当りの壁は当初は素通しの独立柱だったが、
奥にクローゼットを追加した為、壁を付け
そのおかげでスッキリとした納まりになった。
天井の様子
建具と腰板はローズウッド色、床はダークウォルナットで着色してある。

寝室のリフォーム

防蟻工事が終わったので、下地工事を進めていく。

床が仕上がり、壁の下地を起こしているところ。
押入の壁をバラすと、荒壁がすごい迫力。
壁紙の納まりの見切りの存在感を消したいので、
白く着色した木材でスッキリと納める。
見付の幅は3mm。

寝室のリフォーム

2間続きの和室の奥の間を1坪弱、広げゆったりとした寝室にする。

腰窓のついている庇の所が増築部分
ブロック基礎なので、基礎にかかる引き抜きの負荷を軽くするため、
筋交いやベニヤではなく、通し貫で耐力をとる。

隣の座敷との間仕切りは襖から壁に変更するので柱を建てる。
長ホゾを付け、込み栓を打ち込む。
既存の足固めを下から半柱で支えボルト引き。
床の下地ができたら、この後防蟻工事。

耐震補強工事4

順番に足固めを挿入していく。

手順を考えながら組んでいく。
横架材の入っていない土壁はしっかり土壁が効くように、
壁貫を二つ割り材で挟み込み隙間を土で埋める。

耐震補強工事3

補強に必要な部分に柱を足していく。

新しく挿入する柱に土壁を付ける貫穴の加工をする。
基礎のない石場建ての家の補強は、筋交いやベニヤではなく、
柔軟性のある土壁で補強するのが良い。

差鴨居には、柱を差すほぞ穴と、
柱を引き寄せるコミセンの加工をする。
柱と貫を差しコミセンを打ったところ。
土壁がしっかり差鴨居につくように
溝になっていた、中樋端(ナカヒバタ)を欠き取ってある。

耐震補強工事2 

下屋の天井補強が終わったので、床を起こしていく。

正面に杉板壁の収納と、その左の漆喰壁の仏間の天井を補強した。
足元は構造的にはほとんど繫がっていない状態。
奥に見える縁側部分の大引き受けの丸太も
しっかりした足固めに交換することになった。
順番に解体していく。
奥の間の床はシロアリにやられているため、
蟻害を受けている部分は全て交換又はハギ合わせをする。