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木の加工(母屋丸太の増築)

今回の増築の重要な部材となる、母屋(もや)の加工の様子。

母屋を支える束(つか)の数が少ないので継ぎ手はしっかりと「追い掛け大栓継ぎ」
継ぎ手の加工の済んだ丸太が次の工程を待っている。
組み立てまでまだ日数がかかるので、狂いの出ないよう型をはめておく。
直接風に当てたくないので、タオルでもまいておく。

耐震診断

平成5年築の住宅を耐震診断しました。

建物の形が不整形である事と2室続きの和室部分の壁量不足で評点0.31「倒壊の可能性が高い」という判定に。

6寸の通し柱に1尺1寸の胴差し、地棟梁の入った、しっかりした田の字構造に水廻りが取り付いた間取り。桟瓦葺き。基礎はダブル配筋の布基礎と独立基礎の複合。
上記の理由から、偏心率は0.42と悪い。
耐震側から見ると、筋交い未挿入の柔構造(通し貫、荒壁土の伝統構法)と足元の緊結という構造的矛盾、が特に気になるところ。
復元力のある柔構造は大変すばらしいが、足元が緊結されている以上、頭が大きく振られるのは決して良い事ではない。
周囲の状況から施工不可能な部分もあるが、田の字の通りに壁を追加し、1階部分の評点1.0偏心率0.15を目標に補強案1を案出する。



補強案1(1階)  評点1.03 偏心率 X方向0.14 Y方向0.14

このプランだと和室と玄関の全てに工事範囲が及んでしまうため、別案も考案中。

理容店リフォーム2

今まで店舗として、活気のあった空間がくつろぎの部屋に生まれ変わる。

落ち天井エリアにソファーを置き落ち着いたスペースになった。
東側の大きな窓から綺麗な光がたっぷり入る。
この後、照明器具、スイッチプレートを付けたら出来上がり。

カトリック宝塚教会

仁川に用事があったので、帰り道に寄りました。

閉場時間にあと少しという所でしたが、「ごゆっくり見て下さい」と仰って下さり、見学させて頂く。
フランスのロンシャン教会に行けることは、きっと無いと思うが、「似た質の感動なんだろうな」などと思いながら光の揺らぎに見入る。
見返した時の,手の届きそうな中2階の親密さ,円筒のボリュームに心つかまれる。
軽井沢のパウロ教会の円筒とはまた違った感動。
艶っぽいデザインのブラッケットからも
街角に溢れているブロックからも
アンコがしっかり入ったイグサロープの座り心地からも、たくさんの元気をもらいました。
雨落ちと玄関の欄間。
教会事務所の方本当にありがとうございました。

スティーブガッド

3/21(土)に予定されていたライブ(於 夏原記念館)中止になってしまいました。
まさか彦根でライブを体験する機会があるとは思ってもいなかったのでワクワクしていました。
コロナウィルスが収束したら、またチャンスを期待しています。

理容店リフォーム1

彦根で55年間理容店を営んでいたお店の閉店にともない、店舗を部屋にリフォームします。

使い込んだ理髪用椅子。毎日酷使されるので、開業当時から3台目という事。
鉄パイプの柱を木の柱に差し替え、低かった天井を高くしササラ桁を現しにする。
お店用の給排水、ガス配管は後に洗面を置けるように残す。

投句箱作成

大手門前と玄宮園入口に設置してある投句箱とその台を作成しました。

材種は投句箱が杉、台は栗。
プレートのフォント、配置、サイズ、以前と同じに作成しました。

木材の人工乾燥(母屋丸太の増築)

皮むきの終わった丸太を人工乾燥にかけました
乾燥してくれた製材所
3つある銀色のコンテナが乾燥機


ここの乾燥機は高温乾燥、中温乾燥、に対応しています。
高温乾燥は120°まで温度を上げ、中温乾燥は60°まで温度を上げる。
◦高温乾燥(4寸角檜)の手順
 1 : 60°位から徐々に上げて120°にしていく、この間に木の外側(白太)の部分
  が柔らかくなる。
 2 : 120°で前の工程で柔らかくなった木の外側部分の水分を抜いていく。
  この時柔らかくなっていた外側部分は固くなっていく。
  ここの製材所では120°の工程で30時間蒸す。
 3 : 20°づつ温度を下げていく。この段階で内部(赤身)の水分が抜けてい 
   く。(この工程で木の表面に割れの出る可能性がある。)
 4 : 扉を少し開き外気となじませ乾燥終了。
 この間4~5日
 

扉を少し開けて外気となじませている所


高温乾燥材は内部割れが酷く、大工が加工する材としては不向きと思っていました。しかし一概に不向きという訳ではなく高温乾燥にも幅があり、その違いは上記の「2」の工程での120°で蒸す時間。
この時間が長いほど次の「3」の工程で発生する外部割れのリスクが少なくなる。120°で蒸す時間の長い事業所は3~4日120°で蒸し続けるという。そうすると外部割れはほとんど無く見た目は綺麗、その代わり内部割れは酷く加工は不可能な材料となる。(そのまま使うのであれば強度には問題なし)
この製材所は経験から120°工程を30時間とし、その高温乾燥材は、ほんの少しの内部割れ、外部割れはあるものの、加工には十分適応するものであった。
乾燥後の含水率には差が無く、あくまで見た目の問題。
「人口乾燥というと温度ばかりが話題になるが風の強弱、向き、材の置き方などでも大分違うよ」と製材所の方は言っている。
今回は中温乾燥で温度60° 工程10日間でしてもらう。

乾燥させる材の敷木に使っているヒノキ。何十回も乾燥機で蒸され焦げていた。

丸太の皮むき(母屋丸太の増築)

増築の母屋に使う杉丸太の皮をむいていきます。

末口3.5寸

竹でヘラをつくり鬼皮をむいていきます。
この丸太は8月末に伐採したもの。
地蔵盆辺りを境に木が水揚げを止めるため
それ以降の伐採であれば材料として使える。
ただ伐採時期が遅くなると皮がくっついてしまってとても剥けないので、8月末伐採は皮の剥きやすさと材の使用の両面から考えると良い時期。
しかし木もそれぞれ個性があり、気持ちよく剥ける木と、かなり大変な木がある。大変なものは年輪剥いでいる感じ。
皮を剥き終わったら、背割りを入れて乾燥機にかける。

写真の木はヒノキ
皮むきに使う道具