平成5年築の住宅を耐震診断しました。
6寸の通し柱に1尺1寸の胴差し、地棟梁の入った、しっかりした田の字構造に水廻りが取り付いた間取り。桟瓦葺き。基礎はダブル配筋の布基礎と独立基礎の複合。
上記の理由から、偏心率は0.42と悪い。
耐震側から見ると、筋交い未挿入の柔構造(通し貫、荒壁土の伝統構法)と足元の緊結という構造的矛盾、が特に気になるところ。
復元力のある柔構造は大変すばらしいが、足元が緊結されている以上、頭が大きく振られるのは決して良い事ではない。
周囲の状況から施工不可能な部分もあるが、田の字の通りに壁を追加し、1階部分の評点1.0偏心率0.15を目標に補強案1を案出する。
このプランだと和室と玄関の全てに工事範囲が及んでしまうため、別案も考案中。